「音律と音階の科学」を読んでみて

こんにちは。

himayomibitoです。

 

 今回は、小方 厚著「音律と音階の科学」(BLUE BACKS 出版)を読みました。

 本のタイトル通り、音楽と科学(数学)の関係について書かれたものです。

 私自身、音楽というものはてんでダメで、鍵盤のどの白鍵が「ド」かすらわからない人間です。

 ではなぜこの本を選んだのかというと、「科学」という部分に惹かれ、中をめくってみると、数式があり、これなら読めそうだということで選びました。


 この本を読んで、1オクターブの音の種類が12であるのは、ピタゴラスが作った「ピタゴラス音階」を根拠としていると知り、とても驚きました。あの三平方の定理を作ったピタゴラスが、現代まで続く音の種類を作ったのだと、感動しました。

 

 

 また、音の高さは周波数で決まり、周波数を2倍すると、1オクターブ高い音が出るそうです。

 例えば、「ド」の音の周波数が100Hzならば、1オクターブ高い「ド」は200Hzということになります。

 次に、1オクターブの中の12音の作り方は、基準の音の周波数を3倍して、2で割ります。

 例えば、基準の音を「ド」(100Hzとする)とすると、3倍すると300Hzとなる。ですが、この300Hzの音は1オクターブの中に収まっていません。なぜなら、1オクターブ高い「ド」の周波数は200Hzで、それより大きいからです。だから、2で割る、つまり1オクターブ低くする必要があります。

 

 

 つまり周波数を150Hzにするわけです。こうやって新しい音を生み出すことができます。次に新しい音を生み出すには、150Hzを3倍して2回2で割れば(つまり4でわる)いいわけですね。こうやって、ピタゴラスは新しい音を次々と生み出したわけです。

 

 

 また面白いのは、実際に計算すると分かりますが、隣り合う音(例えばドと♯ド、ミとファ)の周波数の差は一定ではないということです。つまり、1オクターブの12音の周波数を小さい順に並べても、等差数列にはなりません。等比数列になるのです。つまり、人間は「差」ではなく、「比」に美しさを感じるのだと著者は言ってます。これを聞いて、私は「黄金比」や「白銀比」、「青銅比」を思い出しました。