「音律と音階の科学」を読んでみて part2

こんにちは。

himayomibitoです。

 

前回も書きましたが、小方 厚著「音律と音階の科学」(BLUE BACKS 出版)を読みました。

読み進めていて、対数の良さを実感したので、記事に書きたいと思います。

 

私は高校で指数・対数について学習しました。

でもそのときは、ただ問題を解いていて、これがなぜ必要なのか(例えば何桁の数ですかみたいな問題を解いていて)実感することはありませんでした。

 

 

 ですが今回、この本を読んでいて、「ここに使えるんだ!」と感じました。

 

 ピタゴラスは1オクターブの中に12音を作るために、ある音の周波数を3倍し、その周波数を半分にして、新しい音を作れます。(「ド」の周波数を1とする)

 

新しい音を作る手順例

 それぞれの音の最後の値をみると、n音目の分子は3^(n-1)となります。なぜなら、2と3は互いに素だから、当然ですね。

 

 

 さて、1オクターブには12音あります。ということは、12音目の周波数の分子は3^11です。この場合、分母は何だろうと考えました。

 分母は2^mで、かつ2^(m-1)<3^11<2^m ・・・① です。

 ①を満たす整数mを見つけたいのですが、3^11の値が大きく、2^mは指数関数的に増加するため、mの値を見つけるのは少し手間です。

 

 ここで、①の各辺に常用対数をとる。そうすると、

 (m-1)log2<11log3<mlog2

となります。

 log2=0.3010,   log3=0.4771 (底は10)なので、

 0.3010(m-1)<5.2481<0.3010m

 各辺を0.3010で割ると、

 m-1<17.4355<m

 よって、m=18です。

 実際、2^18=262144,  3^11=177147で、3^11/2^18=0.6758です。これが、12音目の周波数です。

 

 

 このように、logを使うことで、簡単にmの値がわかりました。

 その理由は、指数関数的な増加を一次関数的な増加に変換できたからです。

 logって使えるんですね。実際に自分で色々やる中で、その良さがわかるってありますよね!!